ネパール 現地調査 報告書                            作成日 2009年2月21日        作成者 宮城国際支援の会 佐藤雅彦
調査日 平成21年2月7日(土)〜平成21年2月12日(木)
 2年前、反政府組織との抗争は終止符を打たれ、昨年は総選挙が行われネパールも安定して来たかに思われたが利権争いやゼネスト(バンダ)、税金の上昇、電力不足、野菜不足、雇用の不安定、地価の上昇、等まだまだ混乱が続くネパールである。
 今回の目的は、16回目の学校給食の開催、2008年3月末までの事業となっている診療所の視察と学校へ寄付した机等の確認、各協力者の聞き取り調査、次年度事業計画の事前調査、現在のネパール国、カガチ村、村の小学校等の調査である。
 
1) 現在のネパール国の状況
・水不足、停電
昨年11月よりすでに4ヶ月雨が降っておらず水、電力不足で益々深刻な状況下にある。 生活用水の不足、水力発電に依存しているため発電量の不足による1日12〜16 時間の停電が毎日行われている。 雨が降り水不足が解消してもネオン看板の乱立、人々が電化製品を多数持つようになったため慢性的な電力不足は続き16時間停電が10時間になる程度と言われる。またネパール国ではインド北部地域へ電力を売っていそうである。
・生鮮品不足、物価の高騰
雨が降らないため生鮮野菜が不足、高騰している。 カトマンズ移住による土地の急騰、建築ラッシュは依然続いている また、消費水準上昇等により昨年に比べ10〜20%くらい物価が高騰している。 昨年とは違いガソリン等は十分有るようだがなかなか値下がりしないようである。
・ごみ収集ストップ
カガチ村と奥のゴミ捨て場のあるシューデニ村、他周辺の村人が自村環境の悪 化による改善を求めカトマンズのゴミ収集がストップした。 カトマンズ住民は収集がこないにも関わらずゴミを出すため町中にゴミがあふれた。

2)支援村の訪問  
 2008年2月9日、カトマンズから村までRV車をチャーターしトゥーレチトレ村 シュリーマハカリ中学校、カガチ村 シュリー・バワニ高校を視察を視察した。
診療所にも行く予定であったが途中1時間30分ほどゼネストの道路封鎖に合い立ち往生し診療所は終了してしまった。後日ドクターとのミーティングを行った。   
3)2008年3月末までの事業 ・週3回の病院開院      
  医薬品については無料配布分が不足している ケミカル薬品等は十分のようである。 カトマンズ市内でさえ電力不足なので当然村には電気が来ていない しかし、発電機の設置によりレントゲンや他の設備も十分使用できる状況にある。  
 ・ワークショップの効果     
村民の生活医療、衛生に関する知識が非常に低いため、ワークショップの効果は大きいようである。新たな試みの散髪事業は意識の向上になったようである。    
 石けん配布は手を清潔にする習慣付け効果はかなりあるようである。
・カガチ村 シュリー・バワニ高校 16回目の学校給食
到着時間が3時頃となり帰った生徒も多かったが卵、バナナ、ビスケットの配布を配布 参加生徒300名であった。
今期寄付した机・椅子のセットは低学年の方で活用されていた。        
4)次年度事業計画の事前調査    
 次年度は6年目と言うことで診療所支援は終了となったが引き続きワークショップの開催予定で生活医療、衛生に関する知識の他、村民収入向上のための話が予定されている。村民は自分たちがどのようにすれば良くなるのかわからないと話している。
また、トゥーレチトレ村 シュリーマハカリ中学校の増築工事、改修工事も予定されている。

・トゥーレチトレ村ではいちごの栽培が行われているがカガチ村では出来ないだろうか?    
・街道沿いのわき水のきれいなところでは鱒の養殖が行われている。
5)事業の調査
*カガチ村、シュリー・バワニ高校(昨年4月より高校となった)
校長名 コラノンド・コットリ・バラミ校長
教員13名 女性3名 
給料は政府から3名、教育委員会2名、スクンダより2名、村民の寄付、学校の収入4名、無料奉仕3名、         
生徒数
幼稚園(保育) 22 35 57
小学校1年 26 22 46
小学校2年 29 32 61
小学校3年 40 37 77
小学校4年 31 15 46
小学校5年 23 22 45
中学校6年 18 12 30
中学校7年  8  8 16
高校 8年 12  6 18
高校 8年 10  2 12
高校 10年  7  1  8
合計 226 192 418
・ 通常は350名くらいの出席である
・ 今年初めて高校卒業生7名がでて統一テストSLCに全員合格した。
1stクラス1名、2ndクラス6名、(内 女性1名)
SLCは5段階に分かれておりHiクラス80%以上の出来、 1stクラス60%以上、2ndクラス46%以上、Lowクラス32%以上、それ以下は落第となる。
SLCに合格すれば先生の資格が頂ける。すでに3名の卒業生が大学の空き時間を利用して当校で教えている。
・ドイツのGTZによる支援で低学年用の学校ができたようです。
・生徒より授業料を必要により徴収するようになった。  
  年間1年生200r〜10年生1200rである。  
  理由 小学校までしか学校の許可がなかったが高校までの許可をもらうための費用が捻出できた。またそれに伴い多くの先生を雇えるようになった。

修学時間 10時〜16時 昼休み30分
授業は? ネパール語、英語、数学、科学、ソーケルストーリー(道徳)

学校の要望として
・現在当会が新設した4教室の他、東京の芝ライオンズクラブが隣接して4教室の増築しているがその隣にもう4教室必要である。  旧校舎は老朽化のため撤去し校庭を作りたいそうです。
・先生の給与が4名分不足してる。
・昨年より壊れていた学校の水道タンクは1度修理したがまた、何者かにパイプを切断され盗まれ現在は水がでない状態が続いている。  


シュリー・バワニ高校

配布した給食

SLCの採点表

寄付した机・椅子のセット

壊れたトイレ

壊れた水道施設

*トゥーレチトレ村 シュリーマハカリ中学校 
28年前に開校、昨年4月より中学校となった
校長名 アラム・ウッダル・ヤーダン校長
教員7名 女性3名 
給料は政府から3名、教育委員会 村民の寄付4名、         

生徒数
小学校1年 36 31 67
小学校2年 31 15 46
小学校3年 10 21 31
小学校4年 19 14 33
小学校5年 14 9 23
中学校6年 7 12 19
合計 117 102 119
・授業料は無料 ・進学はラニポカリの村の高校へ行けるが少ない 学校の要望として
・校舎が足りない(次年度建設予定)
・既存校舎の老朽化(次年度修理予定)
・先生の人数、給与が足りない
・屋根は昨年地区のお金で修理済み
・土地は学校のである。 校庭が凸凹で整地して欲しい。 トゥーレチトレ村について
・タマン族の村 勤勉な人が多い
・村民は主に農業に従事し大根、いちご、トウモロコシ、ジャガイモを栽培している。
・村の識字率は低く60%位と思われる。
・病院はラニポカリの村へ行く(ヘルスポストがある)

*トゥーレチトレ村 シュリーマハカリ中学校 増築・改修工事に伴い建設会社との ミーティング     
 会社名 ピラドエンジニアリングサービス(株)      
 監督 ラジェンド・カルキ バラジュ在住、学校2回調査    

 マハカリ中学校 ・6教室の新設(1階3教室 2階建て) 基礎、梁、柱 鉄筋コンクリート造 壁 石積みモルタル仕上げ+塗装 ・改修工事 旧校舎修理、モルタル、塗装 土留め工事、トイレの設置、雨排水工事、 校庭の整備、階段の拡張等   

シュリー・マハカリ中学校

校長先生

改修する校舎
             

生徒達
*カガチ村診療所ドクターとのミーティング ・患者数1ヶ月 雨期700名 乾期250名 ・週2回〜4回カトマンズより来院している。
・乾期は患者が少ないため2回、雨期は多いため4回来院している
・サブヘルスポストは週6日開院している
・子供の病気と喘息の患者、雨期には下痢の患者が多い。
・無料配布薬が足りない。 ・緊急お産も診療所で行っている(4,5人)
・ハンセン病の患者は亡くなった。
・以前と比べて村民の変化 診察、治療に来るようになった。
 ワクチンを決められた時期に接種するようになった。     
 トイレを決まった所にするようになった。    
 ゴミも決まった所に捨てるようになった。

6)今期のスクンダ活動、事業、今後の展開 ・カガチ村の診療所運営  
   診療所は街の個人病院への委託を考えている。 本来は村民がお金を出し合って運営していけば良いのだろうがお金がない人が多く無理と判断。2,3年かかる見込み。

・カガチ村学校の給食、先生2名の給料、教室の増築 給食は少額の資金で効果があるので続けていきたい。 その効果は卒業生も出て上がっていると感じられる。将来の村のためには学力向上は欠かせない。

・カブレ群 リッエ・デゥラリ村のメディカルキャンプ(無医村) チチン病院の医者、スクンダメンバー20人、 診察者数1000人 婦人病、白内障の患者が多かった。 今まで病院での診察は受けたことがなかった村でした。 今回のキャンプでカトマンズにて30名の白内障の患者を手術することとなった。

・エフォートホーム(エイズ孤児施設)への支援 孤児13名 学費の支援や毛布の配布、レオメンバーが食事を作ったり、寄付の呼びかけをしている。  エイズ孤児―両親、片親がエイズのため施設に入っている
・病院スタッフへの糖尿病治療の研修会  

・バネパ 眼科病院へ中古機材の寄付 ・バネパ ナラ高校へ机
・椅子100セット寄付
・バネパ 救急車修理 ・学校での課外授業への参加 

・東ネパール 洪水の被害で食料の支援 ・年2,3回の献血

・医学生の学費支援

・各村の貧しい人達のための学費の支援(10〜15人程度) レオクラブではオカルパウワ地区のエイズ調査を希望している。 事業内容、調査費用の詳細を依頼した。

以上